BIO-THERAPY

バイオセラピーについて

バイオセラピーとは

 中高年以降、膝や股関節、手指などの変形性関節症でお困りの方は多く、最終的に手術療法を行う方も次第に増えてきております。 手術ではなくヒアルロン酸やステロイドなどの注射療法、筋力強化などのリハビリテーションや装具療法は一定の効果があり安全性も高くまず行うべき治療法です。 ただし効果が得られにくい場合や、いったんよくなっても再発も多く漫然と治療を行っている方も多く見受けられます。

 近年、生体内の細胞が本来持っている組織の修復再生能力を利用した治療の研究、臨床的な使用例が増えてきているようです。 本邦では血液からは多血小板血漿(PRP), 脂肪由来培養幹細胞療法(ADSc)など、主にひざなどの関節症に対しての加療が行われており一定の効果があることが確認されてきております。 当院ではその両方を施行可能ですが、特にPRPでは高容量高濃度PRP療法を施行しておりその良好な成績が確認されてきております( 1 )。

(1)変形性膝関節症に対する高濃度高容量PRP療法の経験 Jpn.J.Joint Dis. Vol 42.(3) 2023

Regenerative MEDICINE 整形外科領域の再生医療について

当院での取り組み
現在(2024年1月4日時点)当院で採用している再生医療は以下の通りです。
・多血小板血漿(PRP:Platelet rich Plasma)→膝、股関節などの変形性関節症。難治性の筋腱付着部炎(テニス肘、足底腱膜炎等)
・培養脂肪幹細胞療法(ADSC)→変形性膝関節症
・幹細胞上清(骨髄:BMSC-CM, 幼若歯髄:SHED-CM)→変形性関節症

幹細胞由来上清液(脂肪、歯髄、骨髄等)/脂肪由来培養幹細胞上清液(ADSc)

最近では幹細胞を培養しから作成した幹細胞由来上清液(脂肪、歯髄、骨髄など)などが安定供給されるようになり、臨床的に使用できるようになってきました。 これらは細胞成分を含んでおらず細胞が産生したサイトカイン、成長因子などの液性因子や細胞外小胞(エクソソーム)などが多量に含まれており、 炎症を抑えたり軟骨変性を抑制したりする効果が確認されてきています(2)。  当院では2022年6月から乳児歯髄幹細胞上清液、2023年2月から骨髄由来幹細胞上清(BMSC-CM)の使用を開始。 膝、股関節の変形性関節症に使用し投与後早期から効果を上げています。(3)

 以上述べましたような細胞や細胞が産生する因子を含んだ成分を使用する治療はバイオセラピーといわれるようになってきており、今後ますますその発展が期待されています。 バイオセラピー的な治療として近年関節軟骨や靭帯などの抗炎症、修復作用を持つ体外衝撃波療法の利用が報告されてきております(4)。

(2) M A Rosochowicz et al. Conditioned Medium-Is it an Undervalued Lab Waste with eh Potential for Osteoathritis Management? Stem cell Reviews and Reports(2023) 19:1185-1213

(3) 変形性関節症に対する幹細胞上清の小経験 第15回 国際抗老化再生医療学会 定期学術総会 東京 2023,4月

(4)Hsieh,et al. Extracorporeal shock wave thrapy for the treatment of kneeosteoarthritis: a meta-analysis. Int Orthopaedics(2020) 44 :877-884 S,An et al. Extracorporeal shockwave Treatment in knee osteoarthritis: therapeutic effects and possible mechanism. Bioscience Reports(2020) 40 BSR20200926

(5) 変形性膝関節症に対する拡散型体外衝撃波の治療効果 第5回日本運動器SHOCK WAVE研究会 抄録 P13東京 2023,9月
(6) 第97回 日本整形外科学会学術総会 整形外科外来診療における体外衝撃波(拡散型圧力波)の経験 福岡市 2024,5月 

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